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『ブリジット・ジョーンズの日記』『NANA2』/Y2Kへの旅vol.1

Twitterを見てくれてくれる方はご存知かと思いますが、最近わたしはY2K新書というPodcastにどハマりしてるのですが、トークの中で出てくるY2K(2000年代)作品、意外と見てないものも多いな…?ということに気づき、今改めて見てみようかな!と思い立ちました。雑感混じりの鑑賞記録です。

 

ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)

 初見です!

 公開当時わたしまだ大学生だったんですけど、大作よりミニシアター系見る方が格好いいと思い込んでた若気の至りな時代で当時は全然見たいと思わなくて、なんかそのまま今に至る…という感じなんですが、でもロマコメの名作に必ずしも挙げられるので、いつか見ないとなーと思ってました。Y2K新書に見るきっかけをもらえてよかったです!

 原作は未読ですが原作のベースになっているオースティンの『高慢と偏見』は読んでて、BBC版ドラマは去年かな?Huluの配信に来たのでついに見ました。『高慢と偏見』は原作もBBC版も大好きです。ついでに『高慢と偏見とゾンビ』も好きです。

高慢と偏見がなければY2K文化は生まれなかった」というのは柚木先生の説ですが笑、『高慢と偏見』の主人公エリザベスはプライドが高く意地っ張りで口も悪い。だけどちょっと惚れっぽいところはかわいいし、何より自分を曲げないところが素敵です。個性的で気の強いヒロイン、たしかにY2Kっぽいかも〜なんてことを思いました。

 

さて『ブリジット・ジョーンズの日記』、まずは今見たのがよかったと思いました。というか公開当時は見ても面白さが理解できなかったかも…。だってヒロインが何もしないのにモテるし、仕事で評価されるのも全部ラッキー。若い頃に見たら、ヒロインに都合のいいだけの話、としか思わなかったかもしれない。

でも今見ると、ヒロインが成長しない、できないところが愛らしいし、何より共感しちゃうんですよね。成長なんてそう簡単にできないよ!酒もやめられないよ!日記続けてるだけで偉いよ!!

それに成長したから何かを得られるっていうのも誰かの決めたルールみたいなものだし、成長しないあなたをそのまま好きになってくれる人がいるって、すっごくポジティブな物語だな〜と思いました。

それにまあモテてるって言っても片方そうとうしょうもない男だし、セクハラから始まる恋なんて今となっては完全アウトです笑

あとBBC版も見たあとだったので、ダーシーによるダーシーのパロ(BBC版でダーシーを演じて視聴者をメロメロにしたコリン・ファースがBJでもダーシーという名のキャラを演じている)がガチで面白いです。BBC版は95年なんですね。まだ記憶に新しい時にこの作品が来て、イギリスの人たち大歓喜したのわかるー!と思いました。

あとブリジットのいつもの友達三人がいつでもブリジット大好きなのがサイコーなのと、ブリジットのママが「子供なんて産まなきゃよかったー」って言ってパパ捨ててテレビショッピングの司会者と付き合い出したのもめちゃめちゃ面白かったです。女は結婚に縋るしかなかった時代の中産階級の女であるがゆえに娘の結婚に目の色変えてた『高慢と偏見』の母親を真逆に転生させてるのがすごくいいなって思いました。

『母親になって後悔してる』って本がタイトルだけで物議を醸したのは去年ですよね。それを思うと今より母親への幻想がキツかっただろう20年以上前のこの映画で、子供なんか産まなきゃ良かったって、母親があっけらかんと娘の前で言っちゃうのが面白すぎるなって思いました。

今見るにあたっては、セクハラ描写がきっついのと、ギョッとするようなセリフもあるし、どこでもみんなタバコ吸ってる様子に若い人はびっくりしちゃうかもね…と思います笑。この20年の変化って大きいんだな〜と改めて思いました。

そのうち続篇二作もみようと思います!


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NANA2』(2006年)

NANA、なつかしいですね!

原作『NANA』の連載は2000年から、2009年に休載なので、ほんっとにY2Kど直球ですね。わたしはりぼんっ子なので矢沢あい作品はサーフィンのやつくらいからリアタイしてたと思います。

映画版の無印NANAは2005年。劇場では見てないかな…ソフト化されたのを見たと思います。

NANA2』はみなさんご存知の通り、メインキャストが何人も交代してるせいか、なんかちょっと微妙…みたいな空気が漂ってた記憶があります。私もそんなに興味持てなくて2023年の今まで見てなかったのですが、Y2K新書のおかげで見る機会を得ました。

確かに!Y2K新書で語られてた通り、市川由衣ちゃんのハチは、その存在感や可愛さやちょっと軽い感じも、すごいリアルでした。ナナとハチのバランスも1より原作に近いと思います。

でも…リアルであればあるほど痛々しいんですよね、この話…。

これはもう原作のストーリーの問題なんですけど、原作は絵柄の可愛さとかエモーショナルなコマ使いでなにか誤魔化されていたものが、リアルな人間が演じるとその痛さが露呈してしちゃうのかな〜と思いました。

だけどそれはそれとして、今またテレビドラマでリメイクとかしても面白そうだなって思います。やっぱり現役世代は絶対見ちゃいますしね。

ところでシン役の本郷奏多くんはよかったですね!めちゃめちゃ原作のシンぽかったです。あとやっぱりブラストのライブのシーンはすごく良くて、中島美嘉さんがナナ引き受けてくれて良かったなぁとしみじみ思いました。

改めて原作のNANAのことも考えたんですけど、……言語化に相当時間がかかりそうな気がするのでやめときます笑。ヒロインへの共感を時にはねつけるようなこの物語が最後、どこへ行き着くのか読んでみたかったです。